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『思考実験リアルゲーム 知的勝ち残りのために』 量子不死とは?

2014.06.28 15:45|その他

思考実験リアルゲーム 知的勝ち残りのために



第1章 思考実験とは何か?
第2章 抜き打ち試験のパラドクス
第3章 本当の幸福―エウダイモニア
第4章 5億年ボタン
第5章 人間転送機
第6章 思考実験でデータ捏造?
第7章 シュレーディンガーの猫
第8章 量子不死・量子自殺
第9章 2封筒問題
第10章 サンクトペテルブルク・パラドクス―2封筒問題との比較


 この本は有名な思考実験について解説したものです。数学的思考が苦手な僕としては、いまひとつ腑に落ちない部分もあるのですが、著者三浦俊彦「狭く深く」というだけに、1つの問題に対してかなり細かい部分まで踏み込んでいるように思えます。
 たとえば「抜き打ち試験のパラドクス」という有名な思考実験がありますが、ここまで詳細にそのパラドクスを分析している本は初めてです。大方の本はそのパラドクスの紹介だけで終わってしまうのがほとんどですが、この本ではそれに対する著者の考えを十分に展開していて読み応えがありました。その議論に説得されるかどうかはまた別問題かもしれませんが。

 量子力学についてはほとんど何も知りませんが、「シュレーディンガーの猫」の話はどこかで読んだことがあります。ただ、箱のなかには生きている猫と死んだ猫が重なり合った状態で存在するとか言われても、いまひとつ納得できない部分もあります。この本ではさらに「量子自殺」なる思考実験が紹介されています。「シュレーディンガーの猫」の猫の立場に自分がなるという思考実験です。
 「シュレーディンガーの猫」では、観測者が箱を開けるまでは生きている猫と死んだ猫が重なり合った状態で存在することになり、開けた瞬間に世界が分岐します。しかし自分が猫の立場になった場合は事情が違います。自分が死んだ状態を自分で確認することはできませんから、世界が分岐する瞬間に意識は自分が生きている世界のみに収縮するのだとか。だから自分の知らない分岐した世界では、自分は死んでいるわけですが、主観的に見れば自分は決して死ぬことはないというわけです(「量子不死」)。
 何だかわかったような、わからないような、狐につままれるような気にもなりますが(上記の理解が正しいのかもよくわかりません)、あまり読んではいないグレッグ・イーガンのSF小説でも、こうした多世界解釈云々の話があったような気がします。量子力学とは物理学であり現実の話なのですが、そのわかりづらさがかえってSF的なものに結びついているのでしょうか。ちなみに著者の整理では、「思考実験」「フィクション」と似ている部分もあり、著者自身も小説家でもあるようです。
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