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『ブッダをたずねて 仏教二五〇〇年の歴史』 仏教という世界宗教のあれこれ

2014.11.29 17:16|宗教
 このブログでも何度か取り上げている立川武蔵の新書本。新聞連載がもとになっており、新書版の見開き2ページでの読みきりが108つ(煩悩の数)並んでいます。それぞれのテーマにあった仏像の写真や絵なども掲載されていて、気軽に読める本になっていると思います。

ブッダをたずねて 仏教二五〇〇年の歴史 (集英社新書)



第1章 ブッダの一生(1~25)
第2章 ブッダの面影と新しい仏(26~68)
第3章 アジアに広がった仏たち(69~98)
第4章 日本に花開いた仏教(99~106)
終章 回帰するブッダ(107~108)


 構成を見ると、第2章が一番のボリュームになっています。この章ではゴータマ・ブッダの教えが、時代を経て大乗仏教の仏というものに変化していく様子が追われていきます。これは『ブッダから、ほとけへ』でも書かれていたものです。それに比べ日本の仏教の扱いはかなり小さいものになりますが、それだけ仏教というものが世界宗教として広がっているということでもあり、日本の仏教だけが仏教の姿でないことがわかります。第3章では中国はもちろんのこと、チベットや東南アジア諸国の仏教の姿を垣間見ることができます。

 以前取り上げた『隠された歴史』という本では、「大乗仏教がキリスト教の影響を受けている」というちょっと極端な主張がなされていました。一方、『ブッダをたずねて』では、インドで阿弥陀仏が生まれたのと同じころ、ヒンドゥー教ではヴィシュヌ神への帰依が勢力を得たとされており、これらの変化は「インドの中から生まれたと考えるよりも、「神への帰依」を知っていたヘレニズムの世界からの影響と考えるできであろう。」(p.85)と記されています。
 大乗仏教にほかの文化からの影響が入っていることは同じですが、その影響はヘレニズムからのものでキリスト教(ヘブライズム)ではありません。やはり「大乗仏教がキリスト教の影響を受けている」というのは極端なのかもしれません。とはいえ日本人の僕としては、ヘブライズムもヘレニズムも西洋のものという意味では同じようにしか感じられない部分もあって、細かい部分はよくわからないのですが……。

『ミルカ』 インドでとても評判のよかった映画らしい。

 全然関係のない話ですが、ちょっと前に映画館で『ミルカ』というインド映画の予告編を観ました(来年公開)。この実在のランナーだという主人公ミルカの頭が、よくある仏像のような形をしていたので、インド人の髪型を写したものとして仏像があるのかも思っていたのですが、この本を読むとちょっと違っていました。
 ヨーガの実習がある程度進むと、頭蓋骨のつなぎ目から体液が出てきて瘤をつくるのだそうです。「この頭の盛り上がりはブッダの智慧の象徴であり、サンスクリットでは「ウシュニーシャ」(仏頂)という。後世、この頭頂の智慧あるいは功徳が神格化されて仏頂尊として崇められてきた。」(p.70)のだと言います。まだまだ知らないことは多いものだと今さらながらに思った次第でした。それにしても「仏頂」という言葉の象徴するものから考えると、「仏頂面」という言葉は何だか不思議な気もします。

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